イノベーションを軽視するとエライ目にあう見本

今日はイノベーションを論ずるうえで、必ず出てくる初歩中の初歩、コダックの事例を紹介します。

 

いま時は、写真を撮るのにフィルムが必要だったことを知らない若者も多いことでしょう。

スマホにも内蔵されているデジタルカメラ。これを発明したのは米イーストマン・コダック社でした。

 

コダックと言えば、黄色パッケージでお馴染みのフィルムメーカーで、緑色パッケージの富士フィルムと2大双璧でした。

アメリカでは一流企業でしたが、2012年1月に連邦破産法適用申請という状況に陥りました(今は復活しているようです)

 

コダック社は1975年に寄せ集めのパーツを使い、世界初のデジタルカメラを発明しました。

ゴミ箱から拾った8mmのレンズを使い、23秒かけて撮影した画像をカセットテープに保存するというもの。

 

デジタルカメラの価値

 

従来のようにフィルムを買って撮影し、その後、現像、プリントというプロセスが不要となる。失敗したら削除して何度も取り直しが可能となる。この無限の可能性をコダック社は理解していなかったということです。

デジカメが普及すると自社の主力事業のフィルムが売れなくなるというジレンマも影響していました。

 

うかうかしている間に、競合の富士フィルム、カメラメーカーのキャノン、ニコン、さらには異業種のカシオ計算機、ソニー

までが続々と市場に参入し、気づいた時には既に手遅れ。営業利益が下降の一途をたどり倒産という結果になりました。

 

いくら市場で強大な影響力を持つ企業でも、ライバル企業や異業種からイノベーションを引っ提げて切り込まれれば、

わずかな期間で市場の様相が一変し、最悪の場合、市場からの退出を命じられることになるという恐ろしい事例です。

 

 

ITコーディネータ 阿部 裕樹